軽自動車の運転支援システムも普通車のシステムと性能が変わらなくなってきてました。
SUZUKI車の場合、ステレオカメラやデュアルセンサのように物だけではなく人にも反応するような高性能なものも搭載されてます。
フロントガラスの交換や脱着時には必須作業になります。
なので今回はSUZUKI車のエーミング方法をご紹介していきます。
スズキ車の搭載システム
現在のスズキ車の運転支援システムの代表的なシステムは
- デュアルセンサブレーキサポート
- デュアルカメラブレーキサポート
などが搭載されています。
上記のシステムはそれぞれエーミング方法が違ってきます。
それでは各システムのエーミング方法をご紹介していきます。
デュアルセンサブレーキのエーミング方法
車両中心線の割り出し
まずは車両中心線の割り出しになります。
この作業はどのメーカー、車種でも作業方法は変わりません。
下げ降り錘を使用して前後の車両中心点を割り出し、それを線で繋げ車両中心線を出します。
ターゲット設置位置
今回の車両はMH55SのワゴンRになります。
ワゴンRの場合は車両前先端より1441mm前側がターゲットの設置位置になります。
車両前面と平行な線を垂直に引きます。
※レーザー墨出し器を×印に置いて割り出すと簡単に割り出せます。
ターゲットの制作
上記のターゲットをA3で2枚印刷してください。
縦横の長さは210mmで許容範囲は±5㎜になります。
印刷時に詳細設定で縦210㎜に設定
ホワイトボードなどを使い印刷したターゲットを上記のように貼り付けます。
ターゲットの設置
ターゲットを貼りつけたホワイトボードを設置します。
ターゲットをしっかり[a]ターゲット設置中心点、[b]車両前面平行線に合わせて設置してください。
スキャンツールにてエーミング調整
スキャンツールの【ユーティリティメニュー】の【エーミング調整】を選択し
車両とデュアルセンサの数値を入力し【実行】を押します。
上記はMH55Sの数値になります。
エラーがなければ調整は完了です。
走行による自動調整
SUZUKI車ではエーミング調整が完了して終わりではありません。
走行することによる自動調整も必須になります。
要はエーミング調整の数値をもとにして、走行することによりコントローラの最終調整をしているわけです。
この自動調整をしないと各機能が正常に動かないことがありますのでご注意ください。
走行するにも条件があります。
●条件1
周囲の風景の移り変わりを認識する走行補正
車速は3km/h以上
周囲の風景が単調でない道路
●条件2
両側白線を認識する走行補正
車速は60km/h以上
両側に白線のある道路
上記の二つの条件で10分間走行
どちらか一つの条件でも自動調整は完了します。
データモニタで自動調整実施状態が「実施済み」になっていれば自動調整は完了です。
デュアルカメラブレーキのエーミング方法
続いてデュアルカメラ(ステレオカメラ)のエーミング調整になります。
車両はスズキで人気車のMR52Sのハスラーです。
車両中心線とターゲットの設置位置の割り出し
車両中心線とターゲット設置位置に関しては、【デュアルセンサのエーミング方法】と割り出し方は同様になります。
違いはターゲットの設置位置までの距離がセンサーの時より長くなります。
ステレオカメラのターゲット
ステレオカメラのターゲットはSSTになりますので部販などで購入してください。
特殊工具
品番:09932-38120
ターゲットの設置
特殊工具のエーミングチャートをホワイトボードに貼り付けます。
貼り付け高さはエーミングチャートの十字マークから1メートルになります。
センサーのエーミング時より少し面倒ですが、エーミングチャートの十字マークを利用して上図のようにホワイトボードを設置します。
スキャンツールによるエーミング調整
エーミング調整値のクリア
エーミング調整をする前にエーミング調整値のクリアを行います。
【ユーティリティメニュー】から【エーミング調整値クリア】を実行します。
数値がクリアされたら、一旦イグニッションをOFFします。
エーミング再調整
イグニッションをONにして【ユーティリティメニュー】から【エーミング再調整】を実行します。
特に数値を入れることはありません。
走行による自動調整
ステレオカメラのエーミング調整もエーミング調整が完了して終わりではありません。
走行することによる自動調整も必須になります。
この自動調整をしないと各機能が正常に動かないことがありますのでご注意ください。
●走行条件
車速は40km/h以上
40メートル以上走行
約30分走行
両側に白線のある直線道路
データモニタで自動調整実施状態が「調整完了」になっていれば自動調整は完了です。
まとめ
最近では軽自動車は物凄く便利になり、燃費もよく維持費もかからず性能的にも費用的にも保有しやすく全国シェアは4割も占めています。
運転支援システムの性能も上がり、事故の起きにくい車両になりました。
デュアルセンサやデュアルカメラのように、人に対しても対応したシステムは安心な装置ではありますが、それほど重要な装置に対しての性能維持も課題になります。
フロントガラスの交換や脱着時には必ずエーミング調整を実施しましょう。